【第8回】厨芥処理機 排水水質

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前回は厨芥処理機の製品価格・ランニングコストについて説明しました。今回は排水水質について紹介していきますね!

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水質測定項目:pH(水素イオン濃度)

厨芥処理機の排水を評価するための主な水質測定項目は、pH(水素イオン濃度)、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、そしてSS(浮遊物質量)があります。
まずは、pH(水素イオン濃度)について説明します。
pHとは、水が酸性・中性・アルカリ性のどの性質を持つかを示す数値です。
水質汚濁防止法では、海域以外の公共用水域に排出する場合は、pH5.8~8.6、海域に排出する場合はpH5.0~9.0の範囲内に調整する必要があります。

水質測定項目:BOD(生物化学的酸素要求量)

次に、BOD(生物化学的酸素要求量)についてです。
BODとは、水中に含まれる有機物を微生物が分解する際に必要とする酸素の量を表しています。この値が高いほど、水が汚れていることを意味します。
水質汚濁防止法では、基準として160mg/L(日間平均120mg/L)以下に抑える必要があります。

なるほど。ちなみに、地方自治体によっては、さらに厳しい排水基準が設けられている場合もありますので確認が必要です。

水質測定項目:COD(化学的酸素要求量)

次に、COD(化学的酸素要求量)についてです。
CODとは、水中に含まれる有機物を酸化剤で科学的に分解する際に必要とする酸素の量を表しています。BODと同様に水の汚れを表しますが、BODは「微生物による生物分解で必要な酸素量」を測定するのに対し、CODは「化学的な酸化分解」で求める点が異なります。
こちらも水質汚濁防止法では、基準として160mg/L(日間平均120mg/L)以下に抑える必要があります。

水質測定項目:SS(浮遊物質量)

最後に、SS(浮遊物質量)についてです。
SSとは、水中に浮遊している2mm以下の物質を指します。この値が高いほど、浮遊している不純物が多く、腐敗や悪臭の原因になる可能性が高いことを意味します。
水質汚濁防止法では、基準として200mg/L(日間平均150mg/L)以下に抑える必要があります。

SSの値が高いと、水中の魚などがエラ呼吸を妨げられて窒息したり、浮遊物によって太陽光が遮られ植物の光合成が阻害されるといった環境への影響も生じる可能性があります。

厨芥処理機使用時の排水水質

厨芥処理機を使用した場合、生ごみは粉砕・固液分離されます。固液分離後の排水を分析すると、一時的に基準値よりも高い数値を示します。分析結果は下記の表の通りです。

■試験条件(水質種類)

水質種類キャベツ(kg)じゃがいも(kg)残飯(kg)水(L)
下処理2.52.57.5
下膳5.07.5

■水質分析結果【単位:pH以外ppm(mg/L)】

水質種類pH(水素イオン濃度)BOD(生物化学的酸素要求量)COD(化学的酸素要求量)SS(浮遊物質量)
下処理6.2234,60043,50030,750
下膳6.3055,05037,50035,100
※厨芥1kgを1Lの水で処理した場合の値で、排水量は1Lとなります。

ただし、実際の運用では厨芥処理機からの排水だけでなく、厨房排水なども同時に浄化槽設備に集まります。
そのため、全体としては大きく希釈されて排水されることになります。

BODやCODの値は「濃度」なので、生ごみの量や運転時間、給水量によって変化します。
例えば下膳で残飯200kgを運転時間が2時間、給水量が30L/分で処理したとすると、BODは次のように計算できます。
(55,050ppm×200kg)÷(120分×30L/分)≒3058ppm
このように、条件によって変動しますので、現場毎に確認が必要です。

・厨芥処理機の主な水質測定項目は、pH(水素イオン濃度)、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)の4項目
・pHは水の酸性・中性・アルカリ性のどの性質を持つかを示す数値で、海域以外の公共用水域に排出する場合はpH5.8~8.6、海域に排出する場合はpH5.0~9.0に調整が必要
・BODは微生物が水中の有機物を分解する際に必要とする酸素の量を表し、値が高いほど汚れが多いことを意味する
・CODは水中の有機物を酸化剤で化学的に分解する際に必要とする酸素の量を表し、BODと同様に水の汚れを表す指標である
・SSは水中に浮遊している2mm以下の物質のことを表し、値が高いほど悪臭などの原因となる ・厨芥処理機からの排水はそのまま分析すると基準値より高いが、厨房排水などと混ざって希釈され、排水時には濃度は低くなる

次回

次回は毎日のお手入れ、保守点検について詳しくご紹介します。

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