対談No.18 GENEI JAPAN

対談:REAL

はじめに

島田:厨房業界とは異なる業種の方と対談する『REAL』。第18回となる今回は、2003年に福岡で「麺劇場 玄瑛」を開店、東京では恵比寿にも店舗を構えており、現在食にまつわるイベントプロデュースや料理人キャスティング、企業版ふるさと納税事務局を運営されている、入江さんとお話しさせていただきます。本日はよろしくお願いします。

入江:こちらこそよろしくお願いします。

GENEI JAPAN

島田:GENEI JAPANについて教えてください。

入江:弊社の事業内容の1つはシェフのキャスティングです。
例えば、海外からのお客様に東京の魅力を知ってもらうためのイベントが12月にあり、そのコンペで企画が通りました。「江戸」「近代」「未来」という3つを企画テーマに設定しており、それに沿ったシェフのキャスティングを行っています。

飲食業界

島田:昨今の飲食業界について教えてください。

入江:飲食業界に限らずですが、技術や営業力があっても、経営やお金の知識が十分ではないまま独立する人が多いです。お客様に喜んでもらっているというモチベーションだけで続けても、元手がない状態で何とかやりくりしているケースが多いです。そうならないためのスキームを組みたいと思っています。

島田:そうですね。従業員の給与といった運営コストを十分に考慮せず、お店がうまくいっていると思っている人が多いですよね。

入江:そうなんです。お店を続けるには、設備の修繕費なども積み立てておかないといけませんからね。実際、「お店は続いているけど、改装する資金が足りない」という話もよく耳にします。
また、飲食店、特にラーメン店の倒産が増えています。飲食店は一番参入のハードルが低いので始めやすいですが、それだけに、事前に経営や資金管理について学ぶ必要があると思います。

今後

島田:今後の展開等教えてください。

入江:農作物などの一次産業からのブランディングを作っていきたいと思っています。一次産業から製造業、サービス業に至るまでの3つの分野を繋ぐのが飲食店だと思っているので、この流れを活用し、ブランド化の協力をしたいです。プロデュース・ブランド化することで、結果として売り上げが上がり収入があがればいいと思っています。

島田:何事も安くするといったことではなく、逆行してブランド化していくということですよね。

入江:そうです。昨今様々なものの価格が高騰していますが、やむを得ず金額を高く設定しているのではなく、いいものを扱っているからこそ高くなっているんだと価値を見出してくれたらいいなと思っています。
また、トップシェフの料理を地方都市の皆達にも楽しんでもらうために、ディナーショーといったイベントを企画演出しています。普段予約の取れないお店ばかりで、そういったお店の味やシェフとの交流を多くの方々にも体験していただきたいと考え、これまでに多くの都市でイベントを開催してきました。
シェフ達は普段休みも余りとれず、自分の店舗のことばかり考えてしまいますが、イベントに参加することで、店舗外の世界や他のシェフ達と交流し、新たな刺激になればと思っています。企画演出からクロージングまで一貫して行うことで、トップシェフと共に新たなエンターテイメントが生まれました。

島田:ラーメンという形があるものから、イベントという形がないものまで手掛けている仕事は面白いですね。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

入江:こちらこそありがとうございました。

■GENEI JAPAN ホームページ
https://artistjapan.com/

■GENEI WAGAN ホームページ
https://geneiwagan.com/

プロフィール

入江 瑛起(いりえ ひでき)
1972年3月11日生まれ
探偵という異色の経歴からラーメン業界に足を踏み入れる。
2003年に福岡で「麺劇場 玄瑛」を開業。革新的な豚骨ラーメンと、厨房を舞台に見立てた劇場型店舗で、客席から調理する様子を眺められる。
その他、「アイアンシェフ」等テレビ番組にも多数出演。

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