Vol.7 株式会社PUNTO E LINEA 代表取締役 早坂賢之

輝く場所におじゃまします

内装で人と人とを繋ぐ

東京・池袋に会社を構える株式会社プントエリネア。
飲食店やオフィス、ホテルなどの内装工事を手掛け、代表取締役早坂様が施工したお店は雑誌「商店建築」にも掲載され、その洗練された空間づくりが多くの支持を集めています。
商業施設内の店舗内装工事の場合は、店舗だけでなく、デベロッパーやゼネコンなど多くの方と細かい打ち合わせが必要となりますが、質の高い施工管理で対応されています。
内装の素敵なオフィスへお邪魔し、夢を叶えた独立から、仕事の取り組み方などまるごとお伺いしました。

決意

建築系の専門学校を卒業し、内装ディスプレイ業界最大手企業の施工管理を専門に行う系列会社に入社しました。ここで15年ほど働き、管理職になりました。
私は現場「モノづくり」が好きなんですが、管理職になると現場から離れがちになるんです。自分のお客さんも見られないままに、担当を違う部署に回される時もあり、時代にあった仕組みに会社を変えて行きたいという気持ちがずっとありました。
しかし100%子会社であった以上、変われないことも多く自分の向く方向じゃないなと思いました。年齢的に40歳も過ぎていたこともあり、自分のやりたい事をしたいと思い、「夢でもあった独立してみよう」と決めました。

元請工事

独立する前は、十数年「元請工事」を担当していました。お客さんの希望や思いを直接受け、カタチにしていけることが楽しかったんですが、リーマンショック・東日本大震災などの影響もあり会社の方針で元請工事が廃止となり、従来通りの本社下請け工事の機能保管会社となりました。私の所属する課でも”元請工事の楽しみ”はなくなり、いずれ私も独立を考え辞める話を部下や協力会社に話していました。
当時上司には、退職が決まっても辞めて独立して会社を起こすのは大変だぞとか資金繰りはどうするんだとか、たくさん心配されましたね。

独立

もともとは1人で独立しようと思っていたんですが、建設業許可を取得するための要件で「経営業務管理責任者」が必要で、その責任者をどうするか悩んでいる時に“俺やるよ”と声をかけてくれたのが、今いる役員の1人で当時の上司でした。お陰様で、建設業許可登録のある株式会社で独立するという一番の夢が叶いました。

プント エ リネア

会社名「プント エ リネア」の由来は、イタリア語で「点と線」を意味し、洗練された空間を提供することで、⼈と⼈を点と線で繋いでいくことをイメージしています。
当然現場に墨出しするにも図面を描くにも点から線で始まります。そうやって、1つずつ組み立て、人と人が繋がっていく。モノを作るって、結局人が作ってるんですよ。この時代建設業界でいろんな技術が発達していてもです。そういう作る人たちがいるからこその空間が出来上がる。そんな想いを全部込めています。
ちなみに会社のロゴも、点から線で、今お伝えしたことをイメージしているんです。

強み

独立して8年ですが、今の社員は先ほど話に出た役員と、前職時代の部下たちの集まりです。
代理店などを通さずお客様より直接受注し施工する直受工事をして豊富な経験もしているので、お客様、元請会社、設計事務所から安心して施工を任せて頂けるのが、会社の強みとなっていると思います。
だからこそ、お客様との話にも説得力があるのかなと。私たちは話を聞いたその場でだいたいの金額と納期まで出せちゃうんです。見積も発注も全部自分達でしているので、弊社社員は「分からないです」「知らないです」とは絶対にならないんです。それは私たちの中では、当たり前の感覚になっています。
お客さんには、「他の内装屋となんか違うんだよね」って言われます。引き渡し間際に現場が終わっていないとか、誰が見ても汚いとかが、プントの現場には無いよねとよく言われるんですけど、終わらないものは事前に終わらないと正直に正確にお伝えし、見せられるところまで持っていくというのが私達のスタイルなので、それが当たり前だと思い、私達は施工をしております。私も内装業界で30年になりますが、それがあたりまえだけど中々出来ない工事業者も多いんですよね。ここが他社さんとの違いと売りになるのかなと思います。

やりがい

量販店やチェーン店など同じパターンのものを作ることももちろん大事ですが、やはりこの業界にいる限りは、毎回違うスタイルでデザインが新しいものと触れ合っている時が一番楽しいですね。真っ直ぐなものから、曲がったものまでなんでもあるじゃないですか。そのモノが出来上がって行くのが楽しくて、この仕事を続けている理由のひとつでもあります。

今後

会社としては、ラフで自由な会社を目指しています。
全員サラリーマン時代に堅苦しいことも経験しているからこそ、そういう会社を作りたかったんです。職場に来なくても仕事できるでしょってことで、出社を必須にしていません。時間にこだわらず働きやすい環境づくりを意識していますね。皆、会社員を経験しているからこそできる暗黙の了解なのかと思います。
社員も8人に増えたので、みんなと目標を立てて考えることが楽しいです。社員が増えることでできることも広がるんですが、私は全部の現場に関わっていたいので、更に社員を増やしていくことや、金額的な会社規模を大きくすることなどは、まだ考え中です。社員が20人30人もいたら全部の現場に関われなくなってしまうので。
今は独立という夢を叶えた先にいます。この先どう広げていくかは悩みでもあり、楽しみでもあります。

輝く場所

毎日来ても別に苦じゃない。日曜日に、「明日からまた仕事だ」と、ブルーな気持ちにならないそんな会社ですね。きっとうちの社員もみんなそう思ってくれているかな。徹夜したりで体が辛くて嫌だと思う時もあるけど、それでもなんか仕事がやりたくなる、来たくなるような場所でありたいです。
仕事以外で色々辛いことがあったとしても、会社に行けば気分が晴れるようになってくれればいいなと思っています。

夢を叶えるには、信頼や誠実さ、全てが必要で繋がっていると思いました。
叶えた先には「居心地の良い職場」があり、新たな悩みがあっても楽しみながら進めるということを教えて頂きました。

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